暴れまわって噛みついて、落ちるように意識を失うといつだって決まって昔の記憶が浮かんでくる。
ウソツキ。ウソツキ。
どいつもこいつもウソツキだ。嫌になって、いらなくなって、勝手に手放して、捨てる。
もう二度と、誰にもそんなことはさせねぇ。わかってんのか?もう、二度と、だ。
だからオレはオレの世界を守るだけ。
「君の世界は、本当はもっと広いんだよ」
は、嘘つけよ。オレの世界はここにあんだよ。てめぇに何がわかるっつーんだ。
ウソツキオンナ、と噛みついてやりたいのに、不思議なことに指一本動かないし声ひとつ出てこない。
これは、夢の続きなのか。むかつく、ウソツキオンナは夢の中さえままならないらしい。
「そうなったら、きっと、私のことなんて忘れちゃうよね」
だからウソばっか言うんじゃねぇよ。てめぇが、てめぇらがオレを置いていくくせに。
やめろようぜぇ。ほんっとうぜぇ。
「貴方が貴方の世界の広さと――――、美しさに気づくまでは。それまでは、傍にいさせてね。瑛太君」
やめろよ。やめろ。
なんで。なんでそんなこと言うんだ。なんでてめぇが泣きそうなんだよ。
ばっか、本気でうぜぇ、ばっかじゃねぇのか。
てめぇがいなければ。オレの世界は始まらないのに。
だから、夢の中でくらい、いつもの間抜け面で笑っていろよ。
歯噛みしたいほど憎々しく。けれど、そっと頭を撫でる感触がすると、それが薄れていくようで。
―――本当に、思い通りにならねぇ生意気なオンナ。
腹立たしさの代わりに植えつけられていく感情を、今はまだ、夢のさかいのまどろみに沈めておく。
La fin du monde
(せかいのすべてはここにある。)
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病み期まっただ中。病み期まっただ中のえーたの世界のすべては西野せんせで構成されているわけで。でも西野せんせにはそれがうまく伝わってない感じがあれです、とても良いです。
なんとなくせんせは何故えーたがせんせを必要としていたのか、その心情は100%理解はしてないのかな?とプレイ中思いました。それが伝わってないのはえーたがおおむね悪いのですが。ただ、えーたに必要とされている点は、せんせはとても機微こまかく理解してらっしゃったのかなぁと。
ともかく、求めてるものと差し出すものの微妙な、本当に些細なずれが大好きです、ってことでした。
20131020