某駅前の某商店街にて。
 無料で短冊に願い事が書けるということで、食い付かないわけがないとある探偵によって例によって例の如く連れてこられたとある少女。




「探偵さん、短冊何色がいいですか?」
「女学生君と同じ色」
「え、っと‥‥は、はい。」
「うん」
「‥‥探偵さんは、何をお願いされるんですか?」
「知りたい?」
「そうですね」
「『女学生君が欲しい』」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥は?」
「わははは!いいぞその驚いた顔!」
「あ、なんだ冗談ですか‥‥び、びっくりするじゃないですか!!」
「うふふふ。千恵美君は?」
「‥‥『探偵さんが私の名前を覚えてくれますように』にします」
「なんだ、そんなことでいいのか。君は欲がない、無さすぎる!!和寅を見習いたまえ!」
「へ?」
「いいかい、美由紀君。折角どんな我儘でも云える日なんだ。もっと有意義なことを願うべきだ」
「は、はい?そ、そうですか?」
「そうだ。例えば『僕と一緒にいたい』とか『僕のお嫁さんになれますように』とか!」」
「―――――っぷ、あはははは!!そ、そうですね。じゃあもうちょっとだけ欲張ってもいいのかな」
「僕が許す」
「はい、じゃあお言葉に甘えまて、そうしますね」



「‥‥ん?あれ、ところで今名前‥‥?」
「どうした、千香子君?」
「―――――きのせい、かなぁ‥‥?あ、それよりも私、結局探偵さんのお願い教えてもらってません!」
「そうだった?」
「はぐらかされませんよ!?」



 ちなみにその短冊は探偵の(無茶な)要望により笹の一番高い所に飾られたとかなんとか。
 同じ色の短冊が二枚、仲良く肩を寄せ合って、ゆらゆら揺れている。






 ‥‥きっとどちらの願い事も叶う日は近い。






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拍手logに。七夕時期だったみたいですね!(投げやり


  20150204再録